こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
今回は、締め日の関係で、退職後に支払われる給与の取扱いについてのお話です。
例えば、末締め翌月15日払いで、締め日である月末に退職した場合、給与が支給されるのは退職後の翌月15日になります。
ただし、既に退職しているため、支給されるものが「給与」なのか「退職金」なのかという考えが出てきます。
事業主さんはどのような取扱いとして支給すべきなのか、簡単に解説します。
♦退職後に支給される給与の取扱い
♦退職後に支給される給与の源泉徴収の注意点
♦扶養控除等申告書の失効日について
給与?退職金?
締め日の関係で退職後に支払われるものについては、退職したことに起因して支払われるものではなく、在職者に支払われる給与と同じ性質ものであるため、退職金には該当しません。
したがって、給与として源泉徴収を行うこととなります。
結局は、毎月のルーティンとして通常どおりに締めて通常どおりに給与計算をしたものなので、通常どおりの給与と同性質であるということです。
退職金は、税制上とても優遇される取扱いとなるため、誤って退職金として取り扱ってしまうと、源泉徴収不足などの問題が発生してしまうため、注意が必要です。
退職金(退職所得)の計算構造については、下記の記事をご参照ください。
(退職所得)
所得税法第三十条
退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下この条において「退職手当等」という。)に係る所得をいう。(退職手当等の範囲)
所得税基本通達30-1
退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。したがって、退職に際し又は退職後に使用者等から支払われる給与で、その支払金額の計算基準等からみて、他の引き続き勤務している者に支払われる賞与等と同性質であるものは、退職手当等に該当しないことに留意する。
源泉徴収の注意点
扶養控除等申告書や乙欄については、下記の記事をご参照ください。
会社側では、退職者が退職後にどのような状況なのかまで確認するケースはあまり無いのではないでしょうか。
結局は、その後に年末調整や確定申告などで精算されれば、課税上の問題はないとも考えられます。
皆さんの会社では、どのようにしてますか?
(年の中途で退職した者に係る給与所得者の扶養控除等申告書等の効力)
所得税基本通達194・195-6
給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した者が年の中途においてその提出を経由した給与等の支払者のもとを退職した場合には、これらの申告書はその退職により効力を失うものとする。ただし、その退職後その年中に当該支払者がその退職した者に給与等の追加払等をする場合において、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げることが明らかなときは、当該追加払等をする給与等に係る源泉徴収税額は、これらの申告書が退職後も引き続き効力を有するものとして計算して差し支えない。(平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10-13、課個2-22、課審5-8改正)
(1)その退職した者が給与所得者の扶養控除等申告書を提出した者である場合 その追加払等をする時において、その退職した者が他の給与等の支払者を経由して給与所得者の扶養控除等申告書を提出していないこと。
(2)その退職した者が従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した者である場合 その追加払等をする時において、その退職した者が他の給与等の支払者を経由して当該申告書に記載されている源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族を記載した給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出していないこと。