こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
年末調整も終わり、源泉徴収票を受け取った人も多いと思います。
源泉徴収票を見ると、年間に天引きされた所得税や社会保険料が分かるので、金額を見てビックリしませんか?
今回は、サラリーマンの税金に関して、源泉徴収票や、所得税、住民税、確定申告などについて、簡単に解説します。
・源泉徴収票の内容
・毎月の所得税の計算
・毎月の住民税の計算
・配偶者控除、扶養控除
・確定申告をすべきかどうか(退職金、年金)
源泉徴収票の内容
源泉徴収票には沢山の情報が載っており、複雑のように見えますが、一つ一つを見ていくとそんなに難しくありません。
基本的な内容
・支払金額
税引き前の1年間の年収です。
・給与所得控除後の金額
支払金額(年収)から給与所得控除額を差し引いた残額です。
給与所得控除額については、こちらの記事をご参照ください。
・所得控除の額の合計額
社会保険料控除や扶養控除など、所得控除の額の合計額です。
年の途中で退職した場合の源泉徴収票は、この部分は空欄になります。
・源泉徴収税額
その年の確定給与所得税額です。
この額と、毎月の天引き合計額との差額が、年末調整時に還付(又は徴収)されます。
・摘要欄
前職分がある場合はその情報や、住宅ローン控除の情報、年末調整の有無の情報などが記載されます。
令和2年分からの改正点
・給与所得控除後の金額
所得金額調整控除の適用がある場合には、所得金額調整控除額控除後の金額を記載することとなります。
・摘要欄
所得金額調整控除がある場合には、その情報が記載されます。
・基礎控除の額
48万円の場合は記載不要ですが、32万円・16万円・0円のときは記載が必要となります。
・寡婦、ひとり親
寡婦控除の内容が変わり、ひとり親控除が新設されました。
詳しくは、国税庁ホームページをご参照ください。
↓
令和2年分 給与所得の源泉徴収票の記載の仕方
毎月の所得税の計算
毎月の所得税の天引きは、税引き前の給与総額から社会保険料(厚生年金、健康保険、雇用保険)を差し引いた残額を基に、「源泉徴収税額表」に当てはめて金額を算定します。
「源泉徴収税額表」については、国税庁ホームページをご参照ください。
↓
源泉徴収税額表
毎月の住民税の計算
毎月の住民税の天引きは、前年の所得を基に住民税を計算します。
その住民税を12等分し、本年6月から翌年5月にかけて給与から天引きされます。
ポイントは、前年の所得で計算されることと、毎年6月から切り替わることです。
配偶者控除・扶養控除
配偶者控除
所得税の配偶者控除を受けるためには、配偶者の年収を103万円以下にする必要があります。
ただし、配偶者の年収が103万円を超えても150万円以下であれば、配偶者控除と同額の配偶者特別控除を受けることができます。
150万円超~201万6千円未満であれば、段階に応じて配偶者特別控除を受けることができます。
注意点として、納税者本人の所得要件がありますので、必ずしも配偶者控除や配偶者特別控除を受けられるとは限りませんので、お気を付けください。
扶養控除
所得税の扶養控除を受けるためには、年収を103万円以下にする必要があります。
103万円を1円でも超えると、扶養控除の適用を受けることができませんので、ご注意ください。
扶養控除については、こちらの記事をご参照ください。
確定申告をすべきかどうか
確定申告要件の基本的な内容
サラリーマンの所得税は、通常年末調整で完結しますが、場合によっては確定申告をしなければならない場合や、確定申告したほうが有利な場合があります。
確定申告をしなければならない場合
次のいずれかに該当する人は、確定申告が必要です。
・給与の収入金額が2,000万円を超える人
・ 給与所得と退職所得以外の合計額が20万円を超える人
・給与を2か所以上から受けている人
・給与について源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
など
確定申告すると還付を受けられるかもしれない場合
・医療費控除を受ける人
・寄付金控除を受ける人
・住宅ローン控除初年度の人
・退職により年末調整を受けてない人
・「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに退職金をもらった人
医療費控除が確定申告でなければ受けられない理由については、こちらの記事をご参照ください。
退職金を受け取ったら
退職金を受け取った場合、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば確定申告は不要です。
退職金は税制上とても優遇されており、計算構造上所得税は低くなる傾向にあります。
ただし、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合には、確定申告をした方が良い場合があります。
退職金に関する所得税については、こちらの記事をご参照ください。
公的年金等を受け取ったら
確定申告が不要の場合
公的年金等の収入金額(税引き前の総額)が400万円以下で、他の所得の合計額が20万円以下の場合には、確定申告は不要です。
例えば、年金が350万円で、給与が15万円であれば、確定申告は必要ありません。
ただし、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合がありますので、ご注意ください。
確定申告を行う場合
公的年金の収入金額が400万円を超える場合や、公的年金が400万円以下でも給与が300万円ある場合には、確定申告を行わなければなりません。
また、還付を受ける場合には、確定申告が必要です。
公的年金がある場合の確定申告については、こちらの記事をご参照ください。