PCR検査は医療費控除の対象になるか?

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、PCR検査等(PCR検査、抗原検査、抗体検査)が医療費控除の対象となるかどうかのお話です。

PCR検査等については、医師等の判断で受けた場合と、自己の判断で受けた場合とで、取扱いが異なります。

どのような場合に医療費控除の対象となるのか、簡単に解説していきます。

【この記事でわかること】
・医療費控除の基本的な考え方
・医師等の判断でPCR検査等を受けた場合
・自己の判断でPCR検査等を受けた場合
・陽性判明後の家庭内消毒費用

医療費控除の基本的な考え方

PCR検査が医療費控除の対象となりかどうかの考え方は、医療費控除の基本的な考え方に基づきます。

つまり、インフルエンザ予防接種や健康診断等と同様に、
・予防に関する費用は対象外
・病気が見つかって治療に移行する場合の健康診断等の費用は対象
・医師等が必要と認めたものは対象
という考え方になります。

医療費の範囲については、所得税法73条・所得税法施行令207条に規定されています。

(医療費控除)
所得税法第七十三条
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。

(医療費の範囲)
所得税法施行令第二百七条
法第七十三条第二項(医療費の範囲)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。
一 医師又は歯科医師による診療又は治療
二 治療又は療養に必要な医薬品の購入
三 病院、診療所(これに準ずるものとして財務省令で定めるものを含む。)又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
四 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第三条の二(名簿)に規定する施術者(同法第十二条の二第一項(医業類似行為を業とすることができる者)の規定に該当する者を含む。)又は柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二条第一項(定義)に規定する柔道整復師による施術
五 保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話
六 助産師による分べんの介助
七 介護福祉士による社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第二条第二項(定義)に規定する喀痰かくたん吸引等又は同法附則第三条第一項(認定特定行為業務従事者に係る特例)に規定する認定特定行為業務従事者による同項に規定する特定行為

医師等の判断でPCR検査等を受けた場合

医師等の判断でPCR検査・抗原検査・抗体検査を受けた場合は、医療費控除の対象となります。

ただし、医師等の判断により受けた場合、初診料や検体保管料を除く検査費用は基本的に公費で賄われるため、自己負担額は発生しません。

したがって、医師等の判断による場合は、初診料や検体保管料の部分だけ(公費負担以外)が医療費控除の対象となります。

自己の判断でPCR検査等を受けた場合

自己の判断でPCR検査・抗原検査・抗体検査を受けた場合は、その結果が陰性か陽性かで異なります。

陰性の場合

自己の判断で受けた検査が陰性だった場合、その費用は医療費控除の対象とはなりません。

自己判断による単に感染していないことを証明するための検査については、治療とは認められません。

国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
問12-2 PCR検査費用の医療費控除の適用について

陽性の場合

自己の判断で受けた検査が陽性で、引き続き治療を行った場合、治療に先立って行われる診察と同様に考えられるため、その費用は医療費控除の対象となります。

これは、健康診断等により病気が発見され、そのまま治療に移行する場合にはその健康診断費用が医療費控除の対象となる考え方と同様です。

(健康診断及び美容整形手術のための費用)
所得税基本通達73-4
いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する。ただし、健康診断により重大な疾病が発見され、かつ、当該診断に引き続きその疾病の治療をした場合には、当該健康診断のための費用も医療費に該当するものとする。

陽性判明後の家庭内消毒費用

家族に陽性者が出た場合、保健所から「消毒命令書」という書面が送られてきます。

その書面には、
・消毒場所
・実施日時又は実施期限
・実施方法
などの記載があります。

その際に、消毒業者に依頼した費用や、消毒液や掃除道具を購入した費用については、医療費控除の対象となるのかどうか。

答えは、NOです。

たとえ陽性者が出たことによる費用だとしても、それは単なる予防に関する費用であるため、医療費控除の対象外であると考えられます。

ただし、フリーランス(個人事業者)が自宅の一部を事業所として使用している場合には、経費に計上できると考えられます。

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