持続化給付金の税務上の取扱いについて

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、持続化給付金の税務上の取扱いについてです。

所得税や法人税はかかるのか?
消費税もかかるのか?

簡単に解説したいと思います。

【この記事で分かること】
・フリーランスが給付を受けた場合の税務上の取扱い(所得区分・所得税)
・法人が給付を受けた場合の取扱い(法人税)
・消費税の取扱い

結論

所得税→課税取引(所得区分は本業の収入に応じて)
法人税→課税取引
消費税→課税対象外取引(不課税取引)

フリーランスが給付を受けた場合の税務上の取扱い

課税対象になる

フリーランスが持続化給付金の給付を受けた場合は、所得税の課税対象となります。

そのため、収入として計上し、確定申告を行う必要があります。

所得区分は?

所得区分については、今行っている事業(本業)を何所得で申告しているかによって異なります。
本業の収入を事業所得で行っていれば、事業所得の収入として、
本業の収入を雑所得で行っていれば、雑所得の収入として、
計上することになります。
場合によっては、給与所得として確定申告を行っている方もいるかもしれませんが、
その場合は、持続化給付金は労務等の対価としての性質を有しないため、給与所得ではなく、一時所得の収入として計算します。
問9 個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取扱い〔10月23日更新〕
新型コロナウイルス感染症等の影響に伴い、国や地方公共団体から個人に対して助成金が支給されることがありますが、こうした助成金は所得税の課税対象となりますか。
〇 国や地方公共団体からの助成金については、個別の助成金の事実関係によって、次のとおり課税関係が異なります。具体例については、以下の(参考)をご覧ください。
【非課税となるもの】
〇 次のような助成金(助成金には、商品券などの金銭以外の経済的利益を含みます。以下同じです。)は、非課税となります。
① 助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの
② その助成金が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの
・ 学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
・ 心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金(所得税法9条1項17号)
【課税となるもの】
〇 上記の非課税所得となる助成金以外の助成金については、次のいずれかの所得として所得税の課税対象になります。
① 事業所得等に区分されるもの
事業に関連して支給される助成金(例えば、事業者の収入が減少したことに対する補償や支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補てんを目的として支給するものなど)
※ 補償金の支給額を含めた1年間の収入から経費を差し引いた収支が赤字となる場合などには、税負担は生じません。また、支払賃金などの必要経費を補てんするものは、支出そのものが必要経費になります。
② 一時所得に区分されるもの
例えば、事業に関連しない助成金で臨時的に一定の所得水準以下の方に対して一時に支給される助成金
※ 一時所得については、所得金額の計算上、50万円の特別控除が適用されることから、他の一時所得とされる金額との合計額が50万円を超えない限り、課税対象になりません。
③ 雑所得に区分されるもの
上記①・②に該当しない助成金
※ 一般的な給与所得者については、給与所得以外の所得が20万円以下である場合には、確定申告不要とされています。
※ 国や地方公共団体による主な助成金等の課税関係については、以下の(参考)をご確認ください。
なお、以下の(参考)に記載がない助成金等の課税関係については、その助成金等の支給元である国や地方公共団体の窓口にご確認ください。
(参考)1 新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して国等から支給される主な助成金等の課税関係(例示)

非課税 【支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの】

  • 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(雇用保険臨時特例法7条)
  • 新型コロナウイルス感染症対応休業給付金(雇用保険臨時特例法7条)
【新型コロナ税特法が非課税の根拠となるもの】

  • 特別定額給付金 (新型コロナ税特法4条1号)
  • 子育て世帯への臨時特別給付金 (新型コロナ税特法4条2号)
【所得税法が非課税の根拠となるもの】

  • 〇学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
  • 学生支援緊急給付金
  • 〇心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金(所得税法9条1項17号)
  • 低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
  • 新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
  • 東京都のベビーシッター利用支援事業における助成
課税
(※)
【事業所得等に区分されるもの】

  • 持続化給付金(事業所得者向け)
  • 家賃支援給付金
  • 農林漁業者への経営継続補助金
  • 文化芸術・スポーツ活動の継続支援
  • 東京都の感染拡大防止協力金
  • 雇用調整助成金
  • 小学校休業等対応助成金
  • 小学校休業等対応支援金
【一時所得に区分されるもの】

  • 持続化給付金(給与所得者向け)
  • Go Toキャンペーン事業における給付金
【雑所得に区分されるもの】

  • 持続化給付金(雑所得者向け)

(※)事業所得等の金額の計算においては、「総収入金額」から「必要経費」を差し引くこととされています。各種給付金等の申請手続に際して発生した費用(行政書士に対する報酬料金など)は、この必要経費に該当します。

(参考)2 国等から支給される主な助成金等の課税関係(例示)
(新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して給付されるものを除く。)

非課税 【支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの】

  • 雇用保険の失業等給付(雇用保険法12条)
  • 生活保護の保護金品(生活保護法57条)
  • 児童(扶養)手当(児童手当法16条、児童扶養手当法25条)
  • 被災者生活再建支援金(被災者生活再建支援法21条)
【租税特別措置法が非課税の根拠となるもの】

  • 簡素な給付措置(臨時福祉給付金)(措置法41条の81項1号)
  • 子育て世帯臨時特例給付金(措置法41条の81項2号)
  • 年金生活者等支援臨時福祉給付金(措置法41条の81項3号)
【所得税法が非課税の根拠となるもの】

  • 学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
  • 東京都認証保育所の保育料助成金(所得税法9条1項15号)
課税 【事業所得等に区分されるもの】

  • 肉用牛肥育経営安定特別対策事業による補てん金
【一時所得に区分されるもの】

  • すまい給付金
  • 地域振興券
【雑所得に区分されるもの】

  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における割引券(通常時のもの)
  • 東京都のベビーシッター利用支援事業における助成(通常時のもの)

※国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ(令和2年10月23日 現在)

法人が給付を受けた場合の取扱い

法人が持続化給付金の給付を受けた場合は、雑収入(益金)として計上します。
事業上の売上とは異なりますので、雑収入として計上し、法人税法上の益金に算入されます。

消費税の取扱い(フリーランス・法人 共通)

消費税の納税義務がある事業者の場合、課税売上(収入)については消費税の計算に関係させます。

ただし、持続化給付金は一方的に給付を受けるものであり、消費税の課税の対象となる4要件(※)を満たさないため、消費税法上は対象外取引(不課税取引)となります。

(※)4要件
①「国内において」行われるものであること。
②「事業者が事業として」行うものであること。
③「対価を得て行われる」ものであること。
④「資産の譲渡、貸付及び役務の提供」であること。

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