こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
持続化給付金の申請期限は令和3年1月15日であり、少しずつ期限が迫ってきています。
そんな中、6月下旬から中小企業庁内に不正受給対応専門チームが設置され、7月から本格的に調査が行われているようです。
今回は、持続化給付金の不正受給があった場合の取扱いについて、解説していきたいと思います。
【この記事で分かること】
・不正受給による自主返還の現状
・返還額の計算方法
・不正受給が疑われる主なケース
・持続化給付金は課税対象
・不正受給による自主返還の現状
・返還額の計算方法
・不正受給が疑われる主なケース
・持続化給付金は課税対象
目次
不正受給による自主返還の現状
大学生やら指南役やら、持続化給付金の不正受給のニュースを、最近よく耳にします。
逮捕者が増加している昨今ですが、そのニュースを受けてかなのか、自主返還を行う者も多くなってきているようで、11月5日現在、返還件数は752件、返還金額は7憶9,400万円、返還申出件数(返還完了分を除く)は7,355件にのぼるようです。(税務通信No.3630より)
持続化給付金の申請については、一定の添付書類はあるものの、1週間から10日程度で入金されていることから予測するに、細かいところまでは審査できていないような気がします。
私のお客さまの多くも持続化給付金の受給を受けていますが、添付資料の表面的な質問が何件かあっただけで、売上の内容について細かく聞かれたことは1回もありませんでした。
支給スピードを優先して手続きを進めていただけることは、もちろん資金繰りに困っている事業者にとって助かりますが、その仕組みを逆手にとって不正受給をする者が増えているように感じます。
ただし、6月に不正受給対応専門チームが発足されたことで、今後はより一層の自主返還や逮捕者が増えていくでしょう。
返還額の計算方法
持続化給付金を返還する事態が生じた場合、「自主返還」の場合と「不正受給認定返還」の場合とで、計算方法が異なります。
当然、不正受給と認定された場合の返還には罰則金を加えた金額を返還することになります。
自主返還
不正受給と認定される前に自主返還した場合の返還額は、
給付を受けた持続化給付金
となります。
不正受給認定返還
中小企業庁の調査の結果、不正受給と認定された場合の返還額は、
給付を受けた持続化給付金+延滞金+{(給付を受けた持続化給付金+延滞金)×20%}
延滞金…不正受給日の翌日から返還日まで年3%
となります。
不正受給をした額に年3%の延滞金を加算し、さらにその合計額の20%を加算した金額が返還額となります。
悪質な場合には、刑事告発の可能性もあるようです。
不正受給が疑われる主なケース
不正受給が疑われる主なケースは、次の4つです。
二重申請
事業者が法人とフリーランス(個人事業主)の2つの立場で申請を行うケースです。
売上の偽装
売上を意図的にずらして申請を行ったり、そもそも売上を計上しないことにより、申請月の売上を偽装するケースです。
虚偽の理由
新型コロナウイルスの影響による売上減ではないのに申請するケースです。
タレコミ
調査で発覚する前に、タレコミにより不正受給を行っていると疑われるケースです。
持続化給付金は課税対象
持続化給付金は課税対象であるため、法人であれば益金に、フリーランスであれば収入金額に計上されます。
消費税については、課税対象外取引(不課税取引)となります。
フリーランスの場合、どの所得で申告を行っているかによって、計上する所得区分が変わります。
事業所得者→事業所得
雑所得者→雑所得
給与所得者→一時所得
事業所得者→事業所得
雑所得者→雑所得
給与所得者→一時所得
税務上の取扱いについては、こちらの記事をご参照ください。
国税庁のホームページ「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」の「5.新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係問9」にも取扱いの記載がありますので、ご参照ください。