1月1日に死亡した場合の個人住民税と固定資産税の納税義務+相続税申告の債務

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、個人住民税と固定資産税の納税義務のお話です。

法律上は両方とも1月1日が課税の基準日となっていますが、死亡した場合の取扱いが若干異なります。

これは相続税申告における債務(財産から引けるもの)にもかかわってきますので、その点について簡単に解説します。

【この記事でわかること】
♦住民税の賦課期日、納税義務の考え方
♦固定資産税の賦課期日、納税義務の考え方
♦住民税や固定資産税の債務控除の注意点

住民税や固定資産税の賦課期日

課税の基準日(賦課期日)は、住民税も固定資産税も「賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする」と定められています。

したがって、1月1日時点で生きていれば住民税が課され、1月1日時点で固定資産を所有していれば固定資産税が課されることになります。

(個人の道府県民税の賦課期日)
地方税法第三十九条
個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
(個人の市町村民税の賦課期日)
地方税法第三百十八条
個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
(固定資産税の賦課期日)
地方税法第三百五十九条
固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。

納税義務の考え方

住民税

住民税の賦課期日については、地方税法で「賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする」と規定されていますが、各市区町村のホームページを確認すると、納税義務の発生は「1月1日以前に亡くなった場合」と「1月2日以降に亡くなった場合」とで区分されています。

つまり、
・1月1日(賦課期日)以前に死亡→住民税の納税義務は発生しない
・1月2日以降に死亡→亡くなった人に前年中の所得に対する住民税が課される(債務控除)
という考え方になります。

固定資産税

固定資産税の賦課期日については、地方税法で「賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする」と規定されていますが、各市区町村のホームページを確認すると、納税義務の発生は「1月1日以降に亡くなった場合」と「1月1日前に亡くなった場合」とで区分されています。
「以降」(又は「以前」)とはその日(1月1日)を含み、「前」とはその日(1月1日)よりも前(12月31日)に亡くなっていることを意味します。
つまり、
・1月1日(賦課期日)以降に死亡→亡くなった人に固定資産税の納税義務が発生する(債務控除)
・1月1日(賦課期日)前に死亡→亡くなった人に納税義務は発生しない(新所有者又は相続人等に課税)
という考え方になります。

相続税申告にかかる債務控除の注意点

相続税申告を行う際、財産(相続税申告の大元となるもの)から「相続人等が負担した被相続人(亡くなった人)が支払うべきもの」を控除することができます。
具体的には、
・借入金
・未払の医療費
・未払の水道光熱費
・未払の税金(住民税、固定資産税など)
などです。
この財産から控除できるものを「債務控除」といいます。
ここで問題となるのが、1月1日に死亡した場合の税金の債務控除についてです。
これについては、上記の納税義務の考え方に記載したとおり、1月1日死亡の場合の固定資産税は亡くなった人に課されますので、相続人等が支払ったときは債務控除の対象となります。
住民税については、1月1日の死亡は納税義務が発生しませんので、そもそも支払うことはありません。
(債務控除)
相続税法第十三条
相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が第一条の三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
一 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)
二 被相続人に係る葬式費用
2 相続又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものについては、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人の債務で次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
一 その財産に係る公租公課
二 その財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権で担保される債務
三 前二号に掲げる債務を除くほか、その財産の取得、維持又は管理のために生じた債務
四 その財産に関する贈与の義務
五 前各号に掲げる債務を除くほか、被相続人が死亡の際この法律の施行地に営業所又は事業所を有していた場合においては、当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の債務
3 前条第一項第二号又は第三号に掲げる財産の取得、維持又は管理のために生じた債務の金額は、前二項の規定による控除金額に算入しない。ただし、同条第二項の規定により同号に掲げる財産の価額を課税価格に算入した場合においては、この限りでない。
4 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が当該特別寄与者に係る課税価格に算入される場合においては、当該特別寄与料を支払うべき相続人が相続又は遺贈により取得した財産については、当該相続人に係る課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から当該特別寄与料の額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
相続税法第十四条
前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る
2 前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税及び印紙税その他の公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。
3 前項の債務の確定している公租公課の金額には、被相続人が、所得税法第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(同条第二項の規定により適用する場合を含む。第三十二条第一項第九号イにおいて同じ。)の規定の適用を受けていた場合における同法第百三十七条の二第一項に規定する納税猶予分の所得税額並びに同法第百三十七条の三第一項及び第二項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(これらの規定を同条第三項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けていた場合における同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額を含まない。ただし、同法第百三十七条の二第十三項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人(包括受遺者を含む。以下この項及び同号において同じ。)が納付することとなつた同条第一項に規定する納税猶予分の所得税額及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)並びに同法第百三十七条の三第十五項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人が納付することとなつた同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第二編第五章第二節第三款(納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)については、この限りでない。
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