こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
2021年となり、新たな気持ちで新年を迎えたいところですが、新型ウイルスの拡大が止まらず、何とも言えない新年となりました。
2021年も不安な年となりそうですが、今できることを精一杯やりたいと思います!
さて、今回のお話ですが、新年というと子供のころはお年玉をいくら貰えるかワクワクしていた方も多いと思います。
大人になると、逆に出費がかさみ大変ですが(汗)
そのお年玉、「贈与税の対象になるのかも・・・?」と思った方はいらっしゃいませんか?
今回は、お年玉と贈与税の関係について、簡単に解説していきます。
・贈与契約成立要件
・お年玉に贈与税はかかるのか
・社会通念上相当と認められる金額
・贈与税の仕組み
贈与契約成立要件
まず贈与の成立について、簡単に説明します。
また、口頭であれば、いつでも贈与を取り消すことができます。
(贈与)
民法第五百四十九条
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。(書面によらない贈与の解除)
民法第五百五十条
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
お年玉に贈与税はかかるのか
結論として、一般的にはお年玉をもらっても、そのもらったお年玉は基本的には贈与税の対象になりません。
理由は、相続税法基本通達によりお年玉は非課税として取り扱われますし、相続税法により年間で110万円までなら贈与税がかからないという規定があるためです。
ただし、相続税法基本通達によりお年玉が非課税となるのは、一般的な常識の範囲内(税法用語だと「社会通念上相当と認められるもの」といいます)であることが条件です。
とはいえ、それぞれ一般常識の感覚は異なりますし、この曖昧な表現は税理士でも判断に迷うところです。
これらの非課税に該当しなかった場合に、受贈者(もらった人)は贈与税を支払わなければなりません。
社会通念上相当と認められる金額
お年玉が非課税のなる根拠として、相続税法基本通達21の3-9に記載があります。
(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)
相続税法基本通達21の3-9
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。(昭50直資2-257改正、平15課資2-1改正)
一般的なお年玉は、一人からもらえる金額は1万円程度ですかね?
そうすると、祖父母や親戚合わせて、数万円というところが相場ではないでしょうか。
このくらいの金額であれば、「社会通念上相当と認められるもの」に該当し、贈与税は非課税として取り扱っても問題ないと考えられます。
では、一人から100万円のお年玉をもらった場合、どうでしょうか?
一般的な感覚であれば、基本通達の非課税には該当しないと考えるのが正しいかもしれません。
ただし、お年玉をあげる人の経済力や社会的地位や、もらう人の年齢や関係性などを考慮して一般的な常識の範囲内かどうかを判断しますので、100万円は絶対にダメだと言い切れないのが難しいところです。
贈与税の仕組み
先ほどの話の続きで、一人から100万円のお年玉をもらった場合、一般的な感覚では基本通達の非課税には該当しないと考えるのが妥当です。
この場合、贈与税はいくらかかるのか?
答えは、ゼロ円です。
理由は、年間(1/1~12/31)の受贈額(もらった額)の合計が110万円以下であれば、相続税法上非課税となるためです。
贈与税計算を行う際は、基礎控除額である110万円を控除し、その110万円を超えた部分に対して贈与税を計算する仕組みとなっています。
もらった額100万円≦基礎控除額110万円
それでは、二人から100万円ずつもらった場合はどうでしょうか?
この場合、もらった額の合計200万円が110万円を超えるかどうかで判定します。
超えたときは、受贈者(もらった人)は贈与税を支払わなければなりません。
もらった額の合計200万円△基礎控除額110万円=90万円
90万円×10%=90,000円(贈与税)
贈与税の仕組みについては、下記の記事もご参照ください。