こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
今回は、確定申告の中でも、うっかり忘れてしまいそうな論点をいくつかピックアップしてみたいと思います。
多少マニアックな論点もあるかもしれませんが、ご容赦ください!
ふるさと納税①
ふるさと納税で、ワンストップ特例を使った方は要注意です。
ワンストップ特例の適用を受けた場合、通常は確定申告が不要で、寄付した自治体とお住まいの自治体とが連携して住民税を調整します。
ただし、ワンストップ特例を受けた上で確定申告をすることとなった場合(他に収入があって確定申告をしなければならなかったとき、医療費控除による還付を受けることができるため確定申告をしたとき、など)には、その確定申告によりワンストップ特例の適用がなかったものとされてしまうため、確定申告時に改めてふるさと納税(寄附金控除)の申告をする必要があります。
この申告をしないと、せっかくふるさと納税をしていても、控除を受けることができません。
また、確定申告でふるさと納税を行った場合は、まずは寄附金控除として所得税から控除され、差額が住民税の控除に充てられることになります。
ワンストップ特例と確定申告とで、控除される税目は変わりますが、トータルは変わりませんのでご安心ください。
ふるさと納税②
ふるさと納税の注意点として、一時所得の申告書が必要になる場合があります。
ただしこれは、超高所得者や、50万円を超えるような一時所得がある方々対象となりますので、基本的に普通の方はあまり考えなくても差し支えありません。
ざっくり説明すると、ふるさと納税により合計が50万円を超えるような返礼品を取得した場合、返礼品は経済的利益という考え方から、所得税の確定申告が必要となります。
なぜ「50万円を超える」なのかというと、一時所得の計算方法において50万円の特別控除がありますので、それを超える部分を所得として計算するためです。
ふるさと納税の返礼品の価値をどのように把握するのか、という問題がありますが、返礼割合を3割以下にしなければならないと規定があるため、170万円を超えるような寄付をした場合には、一時所得の申告を検討した方が良いかもしれません。
☆170万円×30%=51万円
医療費控除
平成29年度税制改正により、確定申告書に医療費明細書等を添付することが必要となりました。
具体的には、人ごと・病院ごとに分けてそれぞれの合計を記載した「医療費明細書」、医療保険者(健保組合、市町村など)から交付を受けた「医療費通知書」を、確定申告書に添付します(領収書の提出はなくなりました)。
ただし、令和元年分までの確定申告については、経過措置として従来の方法(合計額の記載と、領収書の提出)で行うことができます。
医療費控除で気を付けたいのは、医療費明細書等の提出により領収書を出さなくてもよくなりましたが、医師の治療を受けている方のおむつ代(紙おむつ購入代・貸おむつレンタル代)は「おむつ使用証明書」の添付が必要となります。
住宅ローン控除
2019年10月以降に住宅を購入された方は、消費税増税の関係で住宅ローン控除期間が10年から13年に延びました。
ただし、11~13年目の計算方法は、借入残高と建物消費税相当額との比較により計算されることとなります。
その関係で、確定申告書の計算明細書に消費税額を記載する欄が増えましたので、該当する方は記載漏れの無いようご注意ください。
雑損控除
昨年は、台風19号により甚大な被害を受けた地域がありました。
雑損控除は、住宅や家財などについて受けた損害額と、災害等に関連してやむを得ず支出した金額をもとに、控除額を計算することができます。
被害に遭われた方は、少しでも税金を取り戻すためにも、活用することをご検討ください。
農業・林業・漁業の簡易課税について
マニアックな論点ですが、令和元年10月1日より、農業・林業・漁業のうち、飲食料品の譲渡に係る事業区分が、第三種から第二種に変更されました。
消費税の簡易課税制度の適用を受けている事業者の方は、ご注意ください。
あとがき
とうとう確定申告シーズンの到来です。
3月16日までは個人の確定申告、3月末までは1月決算法人の申告、そして5月末までは3月決算法人の申告(基本的のどこの税理士事務所も3月決算が多い)という、いわゆる繁忙期と呼ばれるシーズンとなります。
これが終わると、1年の半分くらいが終わっています。
1年なんてあっという間です。