税とは~なぜ税金を納めなければならないのか?~

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は原点に立ち返り、「税」とは何か?という点について書きたいと思います。

普段生活する上で、私たちは何かしらの税金と関わっています。
あまり意識することはないかもしれませんが、思いのほか多くの種類の税金を支払っています。

なぜ税金を納めなければならないのか、どんな種類の税金があるのかなど、解説していきます。

納税の義務

納税の義務は、日本国憲法30条により定められています。

そして、税金に関する法律や税金の使い道は、国会で決めることとなっています。

日本国憲法
第三十条 
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

税金を課するには、法的根拠が必要だと規定されており、これを「租税法律主義」といいます。

日本の税については、この「租税法律主義」と、公平に税を徴収するための「租税公平主義」の2つが基本的な理念となっています。

私たちが納めた税金は、公共サービスや公共施設に利用されます。
例えば、
・道路
・信号機
・学校
・医療費
・ゴミ処理
・警察、消防
など、私たちの生活に必要な様々なサービス・施設に使用されています。

なので極端な話、個人的には、税金を滞納している人には道を歩いてほしくないしゴミを出してほしくない(笑)
ということになります。

租税の公平性

租税公平主義の考え方には、大きく3つの考え方があります。

水平的公平

消費税のように、所得水準や年代に関わらず、一定の税率を負担させるという公平性をいいます。

垂直的公平

所得税のように、所得が多い人は負担が大きく、所得が少ない人は負担が小さい(超過累進税率)という公平性をいいます。

世代間公平

異なる世代を比較して負担の公平が保たれているか、また、それぞれの世代の受益と負担のバランスが保たれているか、これらの観点から考える世代間の公平性をいいます。

このように、様々な指標を設けて、なるべく不公平感を無くして課税するよう工夫されています。
ちなみに、「公平」は「平等」とは違います。「平等」とは、年齢や収入の有無に関係なく一人一人が同一金額を負担するという考え方ですので、「公平」とは考え方が全く違いますのでご注意ください。

税金の分類と種類

税金には、国税や地方税といった分類があり、その分類の括りの中に様々な種類の税金があります。

税金の分類

(1)納める場所による分類

国税:国に納める税金
地方税:都道府県や市町村など地方公共団体に納める税金

(2)納め方による分類

直接税:納税義務者=税負担者
間接税:納税義務者≠税負担者

※間接税とは、例えば酒税のように、税金を納める納税義務者は酒造メーカーですが、税金の負担者はお酒を購入する我々消費者である仕組みをいいます。

(3)課税対象による分類

所得課税:所得税や法人税など、所得(利益)に対して課税される方法
消費課税:消費税や酒税など、物品やサービスの提供に対して課税される方法
資産課税:相続税や固定資産税など、資産に対して課税される方法

主な税金の種類

(1)国税

①直接税
(イ)所得課税
・所得税
・復興特別所得税
・法人税
・地方法人税
(ロ)資産課税
・相続税
・贈与税

②間接税
(イ)消費課税
・消費税
・酒税
・たばこ税
・自動車重量税
・関税
・揮発油税
・石油石炭税
・石油ガス税
・航空機燃料税
・とん税
(ロ)資産課税
・印紙税
・登録免許税

(2)地方税(都道府県)

①直接税
(イ)所得課税
・都道府県民税
・事業税
(ロ)消費課税
・自動車税
・狩猟税
(ハ)資産課税
・不動産取得税
・固定資産税

②間接税(消費課税)
・地方消費税
・都道府県たばこ税
・ゴルフ場利用税
・軽油取引税

(3)地方税(市町村)

①直接税
(イ)所得課税
・市町村民税
(ロ)消費課税
・軽自動車税
(ハ)資産課税
・固定資産税
・都市計画税
・事業所税

②間接税(消費課税)
・市町村たばこ税
・入湯税

あとがき

正直なところ、私もできるだけ税金は払いたくありません(笑)

でも、納めた税金が色々な公共サービスや社会保障に使用されているため、公平に課されている以上は義務を果たすべきです。

とはいえ、無駄にたくさんの税金を支払う必要はありません。

脱税や未納はダメですが、節税はもちろんすべきだと思っています。

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