こんにちは
サラリーマン税理士のりゅうです。
6月支給の給与も済んだと思いますが、定額減税処理は無事に出来ましたでしょうか。
単純にもらう側は嬉しかったかもしれませんが、事務方は本当にイライラしたと思います(笑)
ところで、年金受給者が給与を受ける場合、給与と年金の両方で定額減税を受けられるって知ってましたか?
人によっては年内に還付(給付)がある等、ただでさえ意味不明な定額減税ですが、
給与と年金のダブルで定額減税が受けられることについて、簡単に説明します。
公的年金等の定額減税
給与以外の所得に係る定額減税がどのように行われるかは、国税庁の『令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係)』で解説されています。
1-7 定額減税の実施方法(給与所得以外)【令和6年5月修正】
問
[A] 1 厚生労働大臣等から支払を受ける公的年金等に係るもの
給与所得以外の所得に係る定額減税はどのように実施するのですか。
公的年金等の支払者のもとで定額による減税額の控除が行われます(1-9、1-10 参照)が、最終的な定額減税額の精算は、確定申告によって受けることになります。
ただし、公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受けていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません(2-3参照)。
~以下省略~2-3 公的年金等の支払を受ける給与所得者に対する定額減税【令和6年5月修正】
問
[A] 公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受ける人についても、主たる給与の支払者のもとで定額減税の適用を受けることになります。
厚生労働大臣等から公的年金等の支払を受ける人は、その公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受けますが、その人についてもその主たる給与の支払者のもとで、定額減税の適用を受けるのですか。
なお、給与等と公的年金等との定額減税額の重複控除については、確定申告で最終的な年間の所得税額と定額減税額との精算が行われることとなりますが、重複控除されていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません。国税庁HP『令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係【令和6年5月改訂版】)』
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
二重で受けられる可能性あり
Q&A(概要・源泉所得税関係)の解説によると、「公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受ける人についても、主たる給与の支払者のもとで定額減税の適用を受けることになります」とありますので、両方から定額減税を受けることが認められています。
さらには、「重複控除されていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません」となっていますので、給与所得又は公的年金雑所得のどちらかが20万円以下であれば、確定申告が不要となりますので、二重で定額減税を受けて完了、ということになります。
また、国税庁の『令和6年分所得税の定額減税Q&A(予定納税・確定申告関係)』では、確定申告の必要の有無について解説しています。
2-3 給与等と公的年金等の源泉徴収税額から定額減税の適用を受けた者
問
[A] 給与等に係る源泉徴収税額と、公的年金等に係る源泉徴収税額の両方から定額減税の適用を受けていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません。
私は、支払を受けた給与等に係る源泉徴収税額と、厚生労働大臣等から支払を受けた公的年金等に係る源泉徴収税額の、両方から定額減税の適用を受けています。この場合、確定申告をする必要がありますか。
このため、従来どおり、
・ 確定申告をすれば税金が還付される方(注1)、
・ 給与の収入金額が 2,000 万円以下で、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得金額が 20万円以下であるなどの一定の要件を満たすことにより確定申告が不要とされている方、
・ その年中の公的年金等の収入金額が 400 万円以下であって、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が 20 万円以下であることにより、確定申告が不要とされている方(注2)
については、確定申告をする必要はありません。
(注1) 確定申告をする必要はありませんが、還付申告により、所得税等の還付を受けることができます。
(注2) その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている方に限ります。国税庁HP『令和6年分所得税の定額減税Q&A(予定納税・確定申告関係)』
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/0024004-072_01.pdf
上記の通り、従来の確定申告を行うべき義務が発生していなければ、給与と年金の両方から定額減税を受けていても確定申告を行う必要はありません。
ただし、医療費控除を受ける場合など、あえて確定申告を行うときは、その確定申告をもって調整(定額減税3万円の人であれば、合計所得から計算された所得税から3万円だけ考慮)されますので、二重で定額減税を受けていたときに比べて不利になる可能性があるため、注意が必要です。