こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
家を買うときに立地や間取で悩むのは当然ですが、買うと決めた後に更に悩むのが住宅ローンの借り方だと思います。
つまり、変動金利にするのか、はたまた固定金利にするのか、です。
考え方は人それぞれですが、基本的には2つのタイプに分けられると思います。
・攻めるタイプ
・守るタイプ
結局はご自身の合う方を選択するということになるのですが、話をそれで終わらせることなく、もう少し踏み込んで、実質的な損益の観点から検証したいと思います。
※変動金利や固定金利の内容については、この記事では割愛します。
結論
●リスクを取ってでも利息分を上回る額を回収したいなら変動金利
●利息分は全て回収できないけと、出来るだけ小さくできれば良いなら固定金利(フラット35S)
変動金利と固定金利の金利比較
【前提条件】
・返済期間35年
・元利均等返済
・変動金利は変動なしパターンと、11年目から変動するパターン(7パターン)
・固定金利はフラット35Sの10年間△0.25%の金利Aプラン(2パターン)
カシオ「ローン返済高精度計算サイトkeisan」にて試算
パッと見ていかがでしょうか?
変動金利の変動なしパターン(35年間0.447%)と固定金利の利息の差に驚きませんか?
ちなみに、家を買うとき不動産屋さんは、当然のように変動金利の変動なしパターンで試算してきます。(もちろん、親切に固定金利でも試算してくれる方はいます。)
不動産屋さんからしてみれば、少しでも金額を小さく見せて買ってもらえる可能性を高くしたいようです。あとは、今まで何年も低金利が続いているので上がらないと考えている営業担当者もいるようです。でも、今まで何年も低金利が続いてるからといって、今後もそれが続くとは限りません。
そういった意味では、固定金利の検討の余地は十分にあると思います。
実質的な損益からの検証
ここでは、変動金利(35年間0.447%)と固定金利(フラット35S金利Aプラン)とで、実質的な損益について検証してみたいと思います。
【前提条件】
・2019年11月3,400万円借入
・返済期間当初35年
・元利均等返済
・12年2ヶ月経過後(2032年1月)に500万円の繰上げ返済(期間短縮)
・住宅ローン控除は13回(2019年12月~2031年12月)
・住宅ローン控除の11~13回目は借入残の1%
・住宅ローン控除は全額控除(所得税・住民税)
・変動金利は35年間変動なし(0.447%)
・固定金利はフラット35Sの金利Aプラン(10年間0.73%、11年目から0.98%)
・2019年11月現在で使える給付金等の制度を使用
・次世代住宅ポイントは35万ポイントで試算
・すまい給付金は10万円で試算
・借入事務手数料は未考慮
利息分から、返ってくる額(もらえる額)をマイナスして計算していきます。
変動金利 | 固定金利 | |
利息分 | 2,735,088円 | 5,382,927円 |
住宅ローン控除 | △3,697,100円 | △3,725,000円 |
繰上げ返済※ | △473,878円 | △1,092,771円 |
次世代住宅ポイント | △350,000P | △350,000P |
すまい給付金 | △100,000円 | △100,000円 |
差し引き | △1,885,890円 | 115,156円 |
※「繰上げ返済シミュレーション@ローン計算」にて試算
試算の結果、
・変動金利は、実質1,885,890円のプラス
・固定金利は、実質115,156円の利息
という内容になりました。
さて、この数字をどのように捉えるかは皆さん次第ですが、実質利息115,156円であれば、固定金利でも良いような気がしませんか?
変動金利であれば、たしかに1,885,890円もお得になりますが、あくまでも35年間金利が変わらないという前提での試算です。
・リスクを取ってでも攻めるのであれば変動金利
・実質利息を出来るだけ小さくできればOKなら変動金利
皆さんはどちらのタイプですか?
まとめ
実は私も今年家を買ったため、このようなシミュレーションを行っていました。
この記事のPDFや試算は、金額やその他一部を変更したものです。
私がどちらを選択したかは伏せておきますが、利息だけを見て考えるのではなく、皆さんの状況に応じて住宅ローン控除や繰上げ返済、その時に使用できる制度などを全部含めて考えることが重要だと思います。
なかなか骨の折れる作業だと思いますが、ほとんどの方が一生に一度のとても大きな買い物になると思いますので、時間の許す限りじっくりと悩んでみてください。