新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の会計処理

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

コロナ関係の給付金では持続化給付金が有名どころですが、調べてみると様々なものがあります。

その中でも、今回は「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」の会計処理について、簡単に解説していきたいと思います。

【この記事で分かること】
・新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業とは
・事業者の会計処理
・従事者等が支給を受けた慰労金の取扱い

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業とは

厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の事業概要は、下記のとおりです。
(厚生労働省HPの「事業の概要」及び「パンフレット」より抜粋)

事業目的

機関の医療従事者や職員は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止・収束に向けてウイルスに立ち向かい、
①感染すると重症化するリスクが高い患者との接触を伴うこと
②継続して提供することが必要な業務であること
③医療機関での集団感染の発生状況
から相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることに対し、慰労金を給付します。

事業内容

新型コロナウイルス感染症に対する医療提供に関し、都道府県から役割を設定された医療機関等(※1)に勤務し患者と接する医療従事者や職員(※2)に対し、慰労金として最大20万円を給付します(その他病院、診療所等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として5万円を給付します。)

(※1)重点医療機関、新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れる医療機関、帰国者・接触者外来設置医療機関、PCR検査センター等をいいます。

(※2)医療従事者や職員には、医療機関等に直接雇用される職員のほか、派遣労働者、業務委託受託者の従事者を含みます。

事業者の会計処理

この「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」の申請は、従事者等が行うものではなく、勤務先の事業者がとりまとめて行います。

したがって、一旦は事業者の口座に全額が振り込まれますが、そのままそっくり対象となる事業者等へ全額が支給されるため、事業者の収入及び経費となるものではありません。

事業者に入金されたときの仕訳

事業者に一旦入金されたときは、単なる預かりですので、「預り金」や「仮受金」で処理します。

収入に計上しないことが重要ですので、他の負債科目でも差し支えありません。

(預貯金)200,000円 / (預り金)200,000円

従事者等へ支給したときの仕訳

従事者等へ支給したときは、入金時に計上した預り金が全額解消されます。

従事者等の一人一人の仕訳でも良いですし、人数が多い場合はまとめて一本の仕訳でも良いと思います。

(預り金)200,000円 / (預貯金)100,000円
           / (預貯金)100,000円

従事者等が支給を受けた慰労金の取扱い

従事者が支給を受けた「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」については、所得税法上非課税となります。

(非課税所得)
所得税法第九条
次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十七 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの

国税庁の「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」の「【5 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係】所得税に関する取扱い 問9」にも記載がありますので、ご参照ください。

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