科目は細かく分けたほうが良い?勘定科目設定のポイント

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです!

皆さん、経理処理で使用する勘定科目は、たくさん設定していますか?

細かく分けておいたほうがしっかり経理処理が出来ている感じがしますが、はたしてそれが正解なのでしょうか?

私見ですが、中小企業や個人事業主においてはどのような勘定科目の設定方法が良いか、解説していきます。

ちなみに、家計簿をつける場合も同じ考えなので、ぜひ参考にしてみてください。

結論

中小企業や個人事業主は、勘定科目数は極力少ない方が良いと思います。

勘定科目にそこまでこだわらず、何費にするか悩まず管理できるくらいの数が良いと思います。

※どうしてもたくさんの勘定科目を使って管理がしたくて、タイムロスがなく、かつ、しっかり継続していく自信がある方は、今からいう方法はオススメしません。

勘定科目はなるべく少なく分かり易く

結局は「販売費及び一般管理費」の中

会社の試算表や決算書の損益計算書を見てみると、
・売上高
・仕入高
・売上総利益(売上高△仕入高)
・販売費及び一般管理費
・営業利益(売上総利益△販売費及び一般管理費)
という流れになっていると思います。
(業種によって、若干異なる場合があります。)

売上高は売上、仕入高は仕入です。
これは特に迷うことはないと思います。

問題は、販売費及び一般管理費です。

これは、会社の営業活動で支出する経費の合計が記載される項目です。

ザッと中身を挙げてみると、
・給与
・法定福利費
・福利厚生費
・旅費交通費
・消耗品費
・通信費
・水道光熱費
・交際費
などです。

あってはならないことですが、例えば経理担当者が、毎月の電話代(通信費)を水道光熱費に計上していたとします。
この場合、会社の損益や税金計算に影響はあるのでしょうか?

勿論、前期比較で数字を見た場合、通信費と水道光熱費の数字が明らかにオカシイことに気付きます。
しかし、販売費及び一般管理費の合計額や、損益に影響はありません。税金計算にも影響はありません。

経理処理を間違ってもいい、ということをお伝えしたいのではなく、
販売費及び一般管理費の中であれば、どんな科目で計上されても会社の損益や税金計算には全く影響がないということです。

勘定科目を事細かく分ける必要って本当にありますかね??

悩むのは時間のムダ

決算書の内容は外部の方(例えば銀行など)が見ても分かるように、最低限の体裁は整えておく必要はあります。

ただし、それは細かく勘定科目を分けることではありません。

勘定科目は管理しやすいように設定し、「この支払い=この科目」というルールを決めて継続することが重要です。

もしかしたら、税理士事務所経由で会計ソフトを導入した場合、勘定科目が細かく設定されているかもしれません。

その時は、
・税理士事務所と相談して使わない勘定科目を消してもらう
・無理に細かく分けず、最低限必要な勘定科目だけを使用する
など、工夫をしてみましょう。

勘定科目を統合して減らす

使用している勘定科目が多いと、それだけ判断に時間がかかります。

経費には色々な種類があるので細かく設定したい気持ち分かりますが、そこはグッと堪えていただいて、極力少なくしていきましょう。

今使用している勘定科目で、なんとなく似ている科目はありませんか?

もしあれば、できる限り統合して少なくしてみましょう。

例えば、以下のように勘定科目・費目を統合してみてはいかがでしょうか。

【消耗品費】
消耗品費や事務用品費などに分類される項目
・事務用備品
・パソコン関係備品
・複合機、プリンター関係備品 など

【旅費交通費】
旅費交通費や車両費などに分類される項目
・電車、バス、タクシー代
・高速代、有料道路代
・ガソリン代
・出張宿泊費 など

【通信費】
通信費や荷造運賃などに分類される項目
・固定電話代、携帯電話代
・切手代、レターパック代
・宅急便代

【雑費】
諸会費や会員費、新聞図書費、その他金額や頻度の少ない項目

注意点

勘定科目を減らすと、悩む時間も少なく効率的に進めることができますが、各勘定科目の前期比較が難しくなります。
設立当初から少ない勘定科目で経理処理できれば良いのですが、会社の期が進んでしまっている場合は慎重に行う必要があります。

例えば、税務会計が正しく行われているか調べるために、税務署(国税局)の調査が入る場合があります。
税務調査が入りやすくなると言われているものの一つに、各勘定科目の数字が前期比較で大幅に動いている場合(売上に対する各科目の割合が大幅に動いている場合)があります。

勘定科目を統合した場合、勘定科目の構成割合が大きく変動するリスクがあり、顧問税理士が嫌がる可能性があります。

そのため、顧問税理士がついている場合、事前に必ず相談しましょう。

あとがき

お客様から、「これって、消耗品費ですかね?それとも事務用品費ですかね?」と聞かれることがあります。

知らないよ(笑)

お客様の中には、明確な基準をもって「消耗品費」と「事務用品費」を分けているところもあります。

でも大半のお客様は、〝なんとなく″です。

この〝なんとなく″を無くしていくため、日々奮闘中です。

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