税理士試験科目は何を選択すべきか?

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、税理士試験の受験科目についてのお話です。

これから税理士試験の勉強を始めようとしている方や簿財スタートの方は、税法科目をどうするか一度は悩んだことがあると思います。

100人規模から数人規模の税理士事務所を経験してきて、こんな科目選択が理想だったと感じた部分について、私見ですがまとめたいと思います。

結論

・消費税法は大活躍

・特別こだわりがないなら法人税法(所得or法人)

・科目の関連性は所得税法と住民税が最強

・自分だったら「法+消+ミニ税法」or「所+消+住」

消費税法は大活躍

消費税法は、実務で最も使う頻度が高い税目です。

課税事業者であれば、一つ一つの仕訳に必ず消費税の判定を行う必要があります。

また、消費税法には様々な届出書があり、基本的には事業年度が開始する日の前日までに提出しないとその事業年度から適用されません。
届出書一つで納税額に多大な影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。

近年の消費税法は、納税義務の判定や軽減税率関係など、どんどん複雑になってきています。

したがって、消費税法を勉強することは極めて重要だと思います。

特別なこだわりがないなら法人税法

税法の選択必修科目として、所得税法又は法人税法を選択する必要があります。

受験科目の中では、1・2を争うボリュームがある科目です。

両方合格するツワモノもいますが、一般的にはどちらかを選択する形となります。

それでは、どちらを選択するか?ということですが、
特に強いこだわりや目指すものがない限りは、法人税法を選択することをオススメします。

理由は、一般的な税理士事務所の売上の大部分は会社(法人)だからです。

所得税法も必要な税目ですが、個人的な感覚でいうと、簿記が理解できていれば何とかなります。

もちろん、所得税法特有の難解な論点は多々ありますが、複雑でなければ税金計算はけっこうシンプルです。

所得税の申告を事業主が行うケースはよくありますが、法人税の申告を経営者が行うことはほとんどないということも、科目選択の参考になるかと思います。

科目の関連性は所得税法と住民税が最強

法人税法をオススメしましたが、学習ボリュームを比較すると、やや所得税法の方が少ないです。

ボリューム重視で選択必修科目を決める人は所得税法を選択することになると思います。

その際、組み合わせとして最強なのが住民税です。

理由は、所得税と住民税の計算方法がとても似ているからです。

所得税法を勉強したことのある人は、その時点で既に住民税の勉強が半分は終わっているようなイメージです。

効率的に税理士試験を突破することを考えると、所得税法+住民税はとてもオススメです。

資産税特化を目指す場合

税理士事務所には、資産税に特化した事務所が存在します。

その事務所に就職したい場合、相続税法と所得税法に合格しているとかなりアドバンテージがあると思います。

ただ、一つお尋ねしたいのが、「ずっと資産税だけやり続けますか?」ということです。

資産税は合う合わないがありますし、合わないとなった場合、法人税法や消費税法が必要になります。

私だったら、とりあえず一般的な事務所にまず入ります。(法・消を受験科目として選択)

一般的な事務所であれば、法人をメインにしながら個人の確定申告もやり、場合によっては年に数件の相続税案件があります。

その数件の相続税案件について、所長や先輩にお願いして携わらせてもらい、実務的に興味を持てれば残り一科目を相続税法で受験するもよし、受験科目とはせず自分で勉強するもよし。
その後、相続税実務のキャリアを積んてから資産税特化事務所に転職します。

私の場合、相続税案件は嫌いではありませんが、法人税実務にも携わっていたかったので、特化型ではなく一般的な事務所でいいかなぁと思っています。

早く受かることも大切

一般的に実務に役立つ科目としては、
・法人税法
・消費税法
・所得税法
・相続税法
これら国税4法だと言われています。

では、この4つから3科目選べばよいかというと、一概にそうとは言えません。

なぜなら、これらの科目はボリュームが多く、合格レベルまで持っていくのにかなりの時間を費やさなければならないからです。

税理士試験は、仕事上、そして精神衛生上、少しでも早い合格が望ましいと私は思っています。
経験上、税理士補助者として働く場合と、税理士として働く場合とでは、レベルアップするスピードがかなり違うように感じたからです。
やはり、税理士であるというプレッシャーがありますし、疑問点については徹底的に調べ上げるようになります。

だからと言って、実務であまり使わないミニ税法ばかりを選択して早期合格を目指すのは違うと思います。

大切なのは、「バランス」だと思っています。

したがって、私の個人的な意見としては、
「法+消+ミニ税法」
「所+消+ミニ税法(住)」
がバランスの良い選択だと思います。

もちろん、人それぞれ感覚が違いますので、これが正解ではありません。

サクッと重たい3科目に受かってしまう天才もいますし、長い時間をかけてでも重たい3科目に合格したい人もいますし。

あとがき

思うところをつらつら書いていたら、まとまりのない文章になってしましました(汗)

お伝えしたかったとは、国税4法から1~2科目を選択して、残りは自分の状況と相談しながら早期合格を目指してみてはいかがでしょうか、ということです。

そういった意味では、10年も20年も受験勉強に費やすくらいなら、「国税4法から1科目+院免」も一つの手段だと思います。

また、税理士試験合格後でも、未学習科目を税理士講座や実務講座で勉強することは可能です。
例えば国税4法を中心に考えるなら、受験科目は法人税法と消費税法にして、所得税法と相続税法は税理士試験合格後に勉強するというスタイルでも全く問題ないと思います。

稚拙な文章ですが、この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

最新情報をチェックしよう!