税理士受験の大学院免除は悪なのか?

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、税理士受験の大学院免除についてのお話です。

税理士試験において、5科目合格(試験組)を狙っていくのか、大学院免除(院免組)を狙っていくのか、悩む受験生は多いと思います。

5科目合格した人からすれば「院免なんて認めない!」と思う人もいると思いますし、
院免の人からすれば「5科目合格なんて効率悪くない?」と思う人もいるでしょう。

この議論については様々な意見があり、正解・不正解は無いと思っていますが、
私が思うところを述べたいと思います。

結論

・税理士になってしまえば、「5科目合格or院免」や「合格科目」について話すことはほとんど無い(少なくとも私の周りでは)。

・5科目合格派・院免派の派閥なんて見たことない。

・「理論暗記の勉強なんて意味ない」なんてことはない。

・5科目合格にしろ院免にしろ、勉強を継続しない税理士は落ちぶれていく。

税理士になるには

税理士試験は、ザックリいうと11科目の中から5科目(必修科目アリ)に合格することで、税理士試験合格となります。

ただし、他のルートとして、大学院免除(修士で最大3科目免除)や、税務署等に23年以上勤務することで、税理士になる方法があります。

大学院免除は、税法の大学院での修士論文が国税審議会で認められると税法2科目免除、会計の大学院での修士論文が修士論文が国税審議会で認められると会計1科目免除となります。

院免で主流なのは、税法の大学院で税法2科目免除がよく使われます。

院免が使えないと言われる理由

大学院免除は、通称「院免」と言われ、一昔前はバカにされるような風潮があったようです。

なぜかというと、ダブルマスターにより無試験で税理士になれる時代があったことが理由の一つだと思います。

ダブルマスターとは、現在は使えない裏ワザで、平成14年3月31日以前に大学院に進学した場合に、税法の大学院で3科目免除と会計の大学院で2科目免除することにより、無試験で税理士登録することができました。

この裏ワザは、税理士事務所の2世がよく使う裏ワザだったようです。

ダブルマスターの人が、例えば税理士登録後に何も勉強しないとすると・・・。
「院免は使えない」と思われても仕方ないところではあります。

院免は本当に使えないのか?

現在は最大で税法2科目と会計1科目の免除が可能ですが、院免はダメなのでしょうか?

結論として、もちろんダメな人もいますが、優秀な先生もたくさんいます。

結局は税理士になった後が勝負で、ずっと勉強を継続できる人が勝つ業種だと思います。

大学院に行こうと思う人は、主に次の3パターンだと思います。
・勉強せずに免除されてラッキーだから行こう
・不確実な試験を受けるよりも院免の方が効率的だから行こう
・何年やっても受からなかったから行こう

勉強せずに免除されてラッキー

このパターンの人は、おそらく使えない税理士になる可能性大です。

税理士は常に勉強して知識を蓄えていかなければならない職業であるため、「勉強しなくていいんだ!ラッキー!」という考えの人は、おそらく税理士になった後も勉強はしないと思います。

不確実な試験を受けるよりも院免の方が効率的だから行こう

このパターンの人は、おそらく税理士になった後も勉強を続けていける人だと思います。

例えば予備校の模試では常に上位5%に入っていたのに不合格だった人の場合、「不確実な試験→時間がもったいない→非効率→院免→勉強時間確保」という思考になっていると思うので、試験の理不尽さを知って早めに院免に切り替えるというケースが考えられます。

私の周りでは、頭の良い人ほど落ちた時の切り替えが早いように感じます。

何年やっても受からなかった

このパターンの人も、おそらく税理士になった後も勉強を続けていける人だと思います。

ただし、「ずっと勉強していたのに受からない=税理士の適性がない」という可能性もありますので、何とも言えないところです。

とはいえ、税理士事務所の仕事はキャリアが長いほど実務力は確実に付くので、そのようなときは院免を狙うのも大いにアリだと思います。

税法暗記はムダな勉強なのか

院免の人の中に、「税法暗記の勉強はムダ」だから院免へ行くという人がたまにいますが、実務を経験したことのある人はおそらくその考え方が間違えだと気付くはずです。

実務上、税法の条文に当たらなければいけないケースも多々あり、その時に条文の引き出しの有無で解決スピードに大きな差が生じます。

たしかに、税理士試験では理論と計算ともに実務にあまり出てこない(大手税理士法人の特殊部隊しか使わない等)ような論点も勉強しますが、条文や通達の引き出しの数は、圧倒的にその科目の勉強経験者にアドバンテージがあります。

税法暗記はけしてムダではないと私は思っています。

試験組VS院免組?

たまに、試験組の派閥と院免組の派閥があるという話を聞きます。

私は税理士会の支部(勤務地によって所属する支部が分かれています)をいくつか経験しましたが、今のところそんな話題が出たことは一度もありません。

また、私の周りでは、「5科目合格or院免」や「合格科目」について話すことはほどんどありません。

仲良くなった先生とは合格科目についての話になったりもしますが、私の周りの若い世代(20~30代)の先生たちの間では、院免に対して批判的な人はほとんどいません。

結局は税理士になった後の勉強次第

試験組にしろ院免組にしろ、税理士は勉強をしなくなった時点で終わります。

・毎年の税制改正
・勉強したことのない税目の勉強
・実務の勉強
・税務会計以外の勉強
・知識の維持、アップデート 等々

どんな方法で税理士になったとしても、結局はどれだけ勉強を続けられたか、という点に尽きると思います。

試験組と院免組とでは、知識に差があることは否めません。

なので、院免組は試験組を追い越すような心持ちで、
試験組はあぐらをかかず常に向上心を持って勉強していくことが必要です。

試験組が勝ちで院免組が負けということではなく、
継続的な勉強をしている人が勝ちだと私は考えています。

あとがき

今回のお話は完全に私の私見ですので、賛成の人もいれば反対の人もいると思います。

ただ、税理士は常に勉強しなければいけないという点は、おそらく全員一致で賛成だと思います。

ところで、私は何組かというと・・・秘密にしておきます(笑)

官報合格ということだけは公表しておきます。
(ちなみに、院免でも官報に載る方法はあります。)

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