暦年贈与相続前加算の改正(令和5年度税制改正大綱)について

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

令和5年度の税制改正大綱が12月16日に発表されました。

様々な論点の改正がありますが、その中でも今回は、暦年贈与に関する相続前加算について簡単に解説します。

現行の相続前加算

現行の相続税法では、相続開始前3年内に贈与があった場合に、その贈与財産を贈与時の時価で加算して相続税の計算を行うこととなっています。
注意点として、3年内加算の対象者は、相続又は遺贈により財産を取得した人です。
したがって、相続又は遺贈により財産を取得していなければ、3年内に贈与を受けていたとしても、3年内加算によって相続税申告の対象となることはありません。
(相続開始前三年以内に贈与があつた場合の相続税額)
相続税法第十九条
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前三年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、当該贈与により取得した財産(第二十一条の二第一項から第三項まで、第二十一条の三及び第二十一条の四の規定により当該取得の日の属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるもの(特定贈与財産を除く。)に限る。以下この条及び第五十一条第二項において同じ。)の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、第十五条から前条までの規定を適用して算出した金額(当該贈与により取得した財産の取得につき課せられた贈与税があるときは、当該金額から当該財産に係る贈与税の税額(第二十一条の八の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税に相当する税額を除く。)として政令の定めるところにより計算した金額を控除した金額)をもつて、その納付すべき相続税額とする。

令和5年度税制改正(相続前加算)

令和5年度税制改正大綱では、下記の点について改正がありました。
・相続又は遺贈により財産を取得した人の相続前加算の期間が、3年以内から7年以内に延長した
・延長した4年間の贈与について、その期間中で合計100万円までの贈与については相続財産に加算しない(100万円控除できる)
これらは、2024年(令和6年)1月1日以降に贈与により取得する財産から適用されます。
2024年(令和6年)1月1日以降に贈与により取得する財産から7年内加算が開始するということは、
・2027年(令和9年)1月1日に相続開始→2024.1.1からの3年内加算
・その後は2024年(令和6年)1月1日を基準として徐々に7年内加算に近づく
・2031年(令和13年)1月1日に相続開始→7年内加算
という流れになります。
最新情報をチェックしよう!