フリーランスの預金利息の取扱い

こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。

今回は、フリーランスや個人事業主の事業用口座に出てくる預金利息について、どのように会計処理するかについてのお話です。

事業用の銀行口座を開設した場合、プライベート用の口座と同様に預金利息が発生する場合があります。

その場合の会計処理は、
(預金)〇〇円/(受取利息)〇〇円
で良いのでしょうか?

簡単に解説します。

【この記事でわかること】
♦預金利息は「事業主借」勘定で処理
♦預金利息の所得区分は「利子所得」
♦預金利息以外の利息の取扱い

預金利息は「事業主借」勘定で処理

結論から言うと、法人の場合は受取利息(収入)として処理しますが、フリーランスの場合は「事業主借」として処理します。

(預金)〇〇円/(事業主借)〇〇円

預金利息は事業上の収入とはならないため、事業所得の計算には含めません。

会計ソフトによっては、預金利息で仕訳すると自動的に事業主借に計上されるソフトもあるようですが、いずれにしても事業所得の収入とはなりません。

預金利息の所得区分は「利子所得」

預金利息は、事業所得ではなく、利子所得に該当します。

したがって、事業所得の収入には含めず、利子所得の収入となります。

(利子所得)
所得税法第二十三条
利子所得とは、公社債及び預貯金の利子(公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、当該利子に係る部分であつた公社債に係るものを除く。)並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配(以下この条において「利子等」という。)に係る所得をいう。
2 利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。

預金利息は、「源泉分離課税」という方式が採られており、源泉徴収された後の金額が預金口座に振り込まれることにより、確定申告では何もしなくてよい(納税が完結)ことになっています。

源泉徴収される税額は、預金利息に20.315%(国税15.315%(※)+地方税5%)の税率を乗じて計算した金額となります。
※15%+(15%×2.1/100)=15.315%

(利子所得の分離課税等)
租税特別措置法第三条
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が平成二十八年一月一日以後に国内において支払を受けるべき所得税法第二十三条第一項に規定する利子等で次に掲げるもの以外のもの(省略)については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する

(源泉徴収義務等)
復興財源確保法第28条
2 前項の規定により徴収すべき復興特別所得税の額は、同項に規定する規定その他の所得税に関する法令の規定により徴収して納付すべき所得税の額(第33条第1項の規定により読み替えて適用される租税特別措置法第9条の3の2第3項の規定により控除された金額がある場合には、同項の規定による控除をしないで計算した所得税の額)に百分の二・一の税率を乗じて計算した金額とする。

預金利息以外の利息の取扱い

従業員への貸付や、個人的な知人への貸付に対する利息は、所得税法上の利子所得には該当しないため、源泉分離課税は適用されません。

したがって、その収入は確定申告の対象となります。

事業関係者への貸付金利息

従業員に対する貸付や、取引先に対する貸付など、事業関係者に対する貸付金利息については、事業に付随する収入として「事業所得(売上ではなく雑収入)」で計算します。

知人への貸付金利息

個人的な知人への貸付金利息は、事業とは無関係な収入と考えられますので、「雑所得」で計算します。

もし事業用口座に振り込まれた場合には、事業所得に関係させないように事業主借勘定で処理します。

事業主勘定で処理した場合には、「雑所得」で計算することを忘れないようにしましょう。

まとめ

預金利息→利子所得(源泉分離課税のため申告不要)

事業関係貸付利息→事業所得(雑収入)

事業無関係貸付利息→雑所得

最新情報をチェックしよう!