こんにちは!
サラリーマン税理士のりゅうです。
今回は、経理で使う伝票のお話です。
以前も伝票会計の記事を書きましたが、とあるお客様のところで伝票をなくすことができたので、再びの投稿です。
〈前回の記事〉
入出金伝票・振替伝票は本当に必要なのか
私自身は、会計ソフトを使用(お客様が入力)する場合、入出金伝票も振替伝票も、さらには現金出納帳も、不要だと思っています。
その点について、個人的な考えをお伝えしたいと思います。
・伝票は必要ない
・なかなか無くすことができないのは何故か
・経理体制を変えるためには
伝票は必要ない
以前の記事にも書きましたが、法律的に伝票を備え付けておかなければならない規定はありません。
なぜ伝票があるかというと、パソコンが普及する前は、
①伝票を起こす
↓
②その伝票を基に総勘定元帳(勘定科目ごとの集計表)を作成する
↓
③最終的に財務諸表を作成する
という流れでした。
もちろん、昔はすべて紙ベースです。
そのため、最初の資料となる伝票は、とても重要なものでした。
現在はというと、様々な会計ソフトがあり、中には勝手に仕訳を切ってくれる会計ソフトもあります。
そんな中、伝票は必要でしょうか?
不要です。
伝票と現金出納帳の作成をバッサリ省いて、直接会計ソフトに入力すれば、保管義務のある書類(総勘定元帳など)は会計ソフトから数クリックで印刷することができます。
そうなると、伝票の作成も現金出納帳の作成も、時間の無駄です。
なかなか無くすことができないのは何故か
なぜ伝票を無くすことができないのか。
それは、下記のような理由が挙げられます。
・昔からのルールを変えられない
・不要な仕事だと思っていない
・そもそも何のために作業しているか理解していない
・伝票などの作成係とパソコンへの入力係が分かれている
など
昔からのルールを変えられない・不要な仕事だと思っていない
「ウチはこういうやり方だから」
こんなセリフ、聞いたことありませんか?
もちろん、そのやり方がその会社にとって効率的なのであれば、指示に従う必要があります。
でも、中には「それ無駄じゃない?」という仕事もあるのではないでしょうか。
とはいえ、そこの長が言うのであれば、従わざるを得ないということも少なくないと思います。
そうなると、もう悪循環しかありません。
作業効率化を提案しても受け入れてもらえず、無駄な作業で時間が奪われ、生産性のない仕事にモチベーションも上がらず、モヤモヤしながら日々を過ごす。
こうならないためにも、社長や代表者、もしくは税理士が経理社員の話をしっかりと聞いてあげることが必要ですし、少しでも体制を変えていく努力をしなければなりません。
そこの長のご機嫌を伺っても、会社の業績が上がるわけではありませんので。
そもそも何のために作業しているか理解していない
「なぜこの書類を作成する必要があるのか」
「この書類は誰のために作成しているのか」
昔からの経理社員の中には、この質問に答えられない人がいるかもしれません。
そんな人の場合、返ってくる答えは大抵、
「すっとそうやってるから」
です。
これでは変わりませんよね。
紙書類作成係とパソコン入力係が分かれている
経理の人数が少し多い会社になると、役割が分かれているところもあります。
役割が分かれていれば、その分効率的に仕事を進められますので、それはアリだと思います。
ただ問題なのは、伝票や現金出納帳など、紙ベースの書類を作成する役割の人で、パソコンも使えずその仕事しかできない人がいる場合です。
伝票や現金出納帳を作らない=その役割の人は不要
ということになってしまいます。
労働法の問題があるので何とも言えませんが、他の仕事ができないのであれば、少なくともその部分の人件費がムダであることは間違いありません。
経理体制を変えるためには
経理体制を変えるためには、若手が言えない以上、トップ(又は顧問税理士)が言うしかありません。
もしそこでダダをこねる経理部長やその取り巻きがいたとしたら、その経理部長や取り巻きは、多分いてもいなくても会社にとっては影響ありません。
優秀な若手は、常に優秀な上司(ノウハウ)を求めて転職します。
営業部隊が会社の花形かもしれませんが、コストカットや作業効率化、人材確保を考えることも、会社の業績を上げるためには必要なことです。
古い経理体制の会社は、まずはそこから改革してみてはいかがでしょうか。
あとがき
冒頭で、伝票も現金出納帳も不要と言いましたが、「会計ソフトを使用(お客様が入力)する場合」には、です。
「お客様が入力」という部分がポイントで、もしデータ入力も税理士事務所に任せる場合は、税理士事務所としては取引内容のわかる伝票か現金出納帳があったほうが助かります。
なぜなら、内容不明分については、経理担当者にその都度確認する必要があるからです。
したがって、領収書やレシート丸投げのお客様は、特に取引量(枚数)が多い場合には、税理士事務所としてはゲンナリします。あまり大きな声では言えませんが・・・。